大日本大相撲勇力関取鏡(だいにほんおおずもうゆうりきせきとりかがみ)
歌川国輝(うたがわくにてる)(二代)画 慶応3年(1867)刊 東京誌料 587-C3

 江戸時代初期から幕末にかけて活躍した力士97名の名前や所属する藩、身長のほか、105人の人物の似顔絵が描かれた錦絵。この6枚続きの錦絵を見ると江戸時代の有名力士のほとんどを知ることができます。


 この作品には力士名だけでなく、神話に登場する神様や人々の名前が書かれています。
 『古事記』には、建御雷(たけみかづち)神と建御名方(たけみなかた)神の力くらべにより国ゆずりが行われたとの記述が、『日本書紀』には垂仁(すいにん)天皇の時代に当麻蹶速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみのすくね)が対戦したという伝説が記載され、この2つの物語が相撲の起源とされています。
 そのため、この絵には「本朝相撲之始メ」の欄に、これらの神様の名前が載せられているのです。この作品からは力士たちの名前だけでなく、相撲の歴史も知ることできます。

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