慶長江戸絵図(けいちょうえどえず)
  東京誌料 A11-1

 徳川家康が江戸に幕府を開いてまもない慶長13年(1608)頃の江戸の町並みを描いたと考えられている絵図です。江戸城とその周辺にあたる内曲輪(うちくるわ)を正確な縮尺で描いています。


 本図のような江戸図は、万治元年(1658)頃、明暦の大火直後の江戸を実測して作成したと言われる『万治年間江戸測量図(明暦実測図とも)』(三井文庫所蔵)や、寛文10年(1670)に刊行された『新版江戸大絵図』(通称『寛文五枚図』 当館所蔵)まで出現せず、絵画的な手法の図が見られるのみです。
 この図は、その正確さや、表門方向から屋敷主を記したことから、後年になって作成されたものではないかとも言われています。江戸図というより城絵図に近い絵図です。

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