江戸城御本丸御表御中奥御大奥総絵図(えどじょうごほんまるおんおもておんなかおくおんおおおくそうえず)(重要文化財「江戸城造営関係資料」)
  東京誌料 6151-4

 将軍の住居であり、幕府の政庁でもある江戸城本丸御殿は、江戸時代を通して何度か火災により焼失、再建を繰り返しています。本図は明暦3年(1657)の大火により焼失し、万治2 年(1659)に再建された、本丸全体を描いた平面図とされています。


 江戸城本丸御殿の全体を描いたこの平面図には天守閣はなく、天守台だけが描かれています。
 本丸御殿は、表・中奥・大奥の3つの区域からなり、この順に南から北へ配置されていました。この平面図はその3つの区域が色分けされており、その内部の様子を詳しく知ることができます。左の黄色の部分が将軍が政務を司る場所で、幕府の中央政庁としての機能を持つ「表」と将軍が日常生活をしたり、政務上の書類などをみる「中奥」、そして右側のピンク色の部分が大奥です。表と中奥はあまり厳密な仕切りはありませんが、中奥と大奥の間には厳然とした塀があり、お鈴廊下と呼ばれる2本の廊下のみでつながっていました。

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