むさしあぶみ
浅井了意(あさいりょうい)著 万治4年(1661)刊 新収資料 和584

 明暦3年(1657)1月、本妙寺(現・文京区本郷あたり)より出火した火災、いわゆる明暦の大火の様子を記録した仮名草子です。絵入りで、火事の様子などが詳しく描かれています。


 本書は大火後に刊行された最も詳細な記録と言われています。挿絵も多く、車のついた長持・初期の消火の様子などが詳細に描かれており、古くから大火の記録というと本書が思い出されたというほどです。
 筆者・浅井了意は、江戸時代初期を代表する仮名草子の作者で、多数の本を書いています。本書は明暦の大火を物語風に著述したもので、一家をこの火事で失った世捨人・楽斎坊が諸国行脚(あんぎゃ)の途上、京都北野社で故郷の知人に会い、大火を物語るというあらすじとなっています。
 紹介したページは、明暦の大火当時の浅草門の様子です。

印刷する