異国船図 北亜墨利加(いこくせんのず きたあめりか)
   東京誌料 697-1

異国船図 北亜墨利加(いこくせんのず きたあめりか)

 嘉永6年(1853)6月、ペリー提督が率いるアメリカ合衆国東インド艦隊は、蒸気船2艘を含む4艘で浦賀に来航し、幕府に開国を迫りました。この資料はその時の黒船の様子を描いたものです。


 ペリー来航を描いた一枚絵や冊子も数多く残されています。それほど人々にとってショッキングな出来事だったのでしょう。
 この資料には、冒頭にペリー来航の道程や久里浜(神奈川県横須賀市)上陸の様子が記されています。また船を前方、後方、側面などから描いた詳細な図に説明を加え、蒸気船のみでなく、帆船も取り上げています。
 ここに描かれている蒸気船がいわゆる「黒船」です。当時の日本の船は帆船で、「黒船」は日本人が初めて目にした蒸気船でした。だからこそ人々は蒸気船に恐れとともに好奇心を抱きました。その後、各藩は蒸気船を購入、または薩摩藩のように製造に着手します。黒船の到来は日本の軍備にも大きな影響を与えたのです。

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