神田明神祭礼番附(かんだみょうじんさいれいばんづけ)
 文久元年(1861)刊 東京誌料 332-C20

 9月15日は、江戸の町で行われる大きな祭りの最後を飾る「神田祭」が開催される日です。この絵は、神田祭の象徴ともいえる山車を番付形式で描いたものです。


 現在、神田祭は5月中旬に行われます。大勢の人々が御輿(みこし)を担いで町を盛大に練り歩く姿を見ることができますが、江戸時代の神田祭は5月ではなく9月に行われ、神輿ではなく山車(だし)が中心のお祭りでした。
 江戸城内に祭礼の行列が入ることが許可されていたこと、将軍も祭礼を上覧したことなどから、「山王祭」とともに「天下祭」とも称されていましたが、山王祭が江戸城鎮守を目的とした祭であるのに対して、神田祭は江戸の町の鎮守を目的としていました。つまり神田祭は江戸っ子の祭だったのです。
 神田明神は今なお、神田・日本橋・秋葉原・大手町・丸の内・旧神田市場・築地魚市場など108ヶ町の総氏神として、町を守り続けているのです。

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