武蔵国全図(むさしのくにぜんず)
橋本玉蘭(はしもとぎょくらん)(歌川貞秀 うたがわさだひで)画  東京誌料 0196-3

 武蔵国22郡の地図です。河川・沼池・海は青で、山岳地は緑で彩色してあり、府内は濃い色で彩色し、郊外と色分けしています。また余白には武蔵国の地名考、沿革、寺社一覧、名所一覧も記してあります。


 武蔵国は現在の東京都や埼玉県、神奈川県川崎市や横浜市の大部分を含む一都二県にわたる広大な地域です。当初、豊島、荏原(えばら)、橘樹(たちばな)、久良岐(くらき)、都筑(つづき)、多摩、足立、入間、比企、横見、埼玉、大里、男衾(おぶすま)、幡羅(はら)、榛沢(はんざわ)、那賀(なか)、児玉、賀美(かみ)、秩父の19郡から成っていましたが、8世紀には高麗郡と新羅郡(後の新座郡)が、そして江戸時代の初め頃に下総国葛飾郡の一部が武蔵国に組み込まれ、22郡となりました。 作者・橋本玉蘭斎とは浮世絵師・歌川貞秀が地図を描く際に使った名前で、鳥瞰図を得意とした絵師です。

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