『画本東都遊』より「絵草紙店」(えほんあずまあそび えぞうしだな)
浅草菴(あさくさあん)編 葛飾北斎(かつしかほくさい)画 享和2(1802)年刊 東京誌料 025-25
蔦屋耕書堂という絵草紙屋の店先を描いた絵です。店の入り口には蔦屋重三郎の名前入りの看板が立ち、山東京伝の著作や狂歌本の宣伝が並び、店の奥には錦絵が置かれ、旅支度の武士が選んでいる姿が描かれています。
『画本東都遊』に収載されている絵はもともと寛政11年(1799)、蔦屋重三郎から刊行された『東遊』という狂歌本に墨絵で描かれていた挿絵です。この本の画家葛飾北斎は浮世絵師として有名ですが、蔦屋から何冊もの狂歌絵本を刊行していました。狂歌本の中から絵の部分だけを抜き出し、彩色摺りにして刊行したものが『画本東都遊』です。