『江戸名所図会 1巻』より「堺町葺屋町戯場(さかいちょうふきやちょうしばい)」
斎藤長秋(さいとうちょうしゅう)編 長谷川雪旦(はせがわせったん)画 天保5~7年(1834~1836)刊 加賀文庫 加256
堺町は江戸歌舞伎の始祖、中村勘三郎が寛永元年(1624)に創立した猿若座(のちの中村座)が慶安4年(1651)から芝居小屋を設けていた町です。また、葺屋町は芝居の江戸三座のひとつである村山座(のちの市村座)が寛永11年(1634)に堺町に建てた芝居小屋を移転して興行をした芝居町です。しかし、いずれの芝居小屋もこの絵が描かれた直後、天保の改革により、天保13年(1842)に猿若町に移転しました。