『江戸名所図会 1巻』より「十軒店雛市(じっけんだなひないち)」
斎藤長秋(さいとうちょうしゅう)編 長谷川雪旦(はせがわせったん)画 天保5~7年(1834~1836)刊 加賀文庫256
十軒店(じっけんだな)では春の雛祭りの前には雛市(ひないち)が、初夏の端午の節句の前には五月人形の市が立ち、大変な賑わいを見せていました。雛市は尾張町(おわりちょう)、浅草、池之端(いけのはた)、麹町(こうじまち)、駒込などにもありましたが、十軒店には及ばなかった、と『江戸名所図会」に書かれています。現在の日本橋室町(にほんばしむろまち)3丁目あたりの中央通りの両側にあった町です。