『江戸名所図会 2巻』より「六郷渡場(ろくごうわたしば)
斎藤長秋(さいとうちょうしゅう)編 長谷川雪旦(はせがわせったん)画 天保5~7年(1834~1836)刊 加賀文庫256

 大田区南六郷と神奈川県川崎市川崎区とを結んでいた多摩川の渡しで、現在の六郷(ろくごう)橋(第一京浜)のやや下流にありました。多摩川には橋が架けられ、しばしば改築されていましたが、破損流出がはなはだしく、元禄(げんろく)元年7月に洪水により橋が落ちてからは再建されず、享保年間(1716~1736)に渡し場となり、明治に至っています。『江戸名所図会』には「江戸の三大橋といふは、両国(りょうごく)橋・千住(せんじゅ)大橋・六郷橋なりといへり」と書かれています。


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