『江戸名所図会 6巻』より「馬市(うまいち)
斎藤長秋(さいとうちょうしゅう)編 長谷川雪旦(はせがわせったん)画 天保5~7年(1834~1836)刊 加賀文庫256

 馬市は、毎年12月中旬、2歳または3歳の南部駒(なんぶこま)100~150頭を南部藩から曳(ひ)いて来て、売買した市です。南部藩の馬宿(うまやど)をつとめる馬喰(ばくろう)3軒が藪の内にありました。その昔は府中六所宮(ふちゅうろくしょのみや)と浅草、麻布十番の3か所で開かれていましたが、享保年間(1716~1736)に府中六所宮の馬市が中止となり、その後は、この浅草薮の内と麻布十番の2か所だけで行われるようになりました。現在の台東区花川戸二丁目あたりに該当します。


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