『江戸名所図会 5巻』より「王子稲荷社(おうじいなりのやしろ)」
斎藤長秋(さいとうちょうしゅう)編 長谷川雪旦(はせがわせったん)画 天保5~7年(1834~1836)刊 加賀文庫256
王子稲荷神社は、関東にある稲荷の総社です。この稲荷のそばに衣裳榎(または装束榎とも)といわれる大きな榎があり、毎年12月晦日の夜は、関八州の狐が官位を決めるため、ここにあつまって、衣装を改めてから稲荷社に参詣した、といわれています。その行列の時に燃える狐火により、人々は翌年の吉凶を占ったといわれています。現在の北区岸町1丁目にあります。