江戸前大蒲焼(えどまえおおかばやき)
 嘉永5年(1852)刊 加賀文庫 加4239

 嘉永5年(1852)に刊行された江戸の鰻屋の見立番付です。「江戸前大蒲焼」の「江戸前」は、「江戸の前面の海」の意味で、鰻の場合は隅田川や深川近辺などで獲れたもののことを言います。


 鰻は江戸前が美味しいとされ、それ以外のものは旅鰻などと呼ばれ区別されていました。
この番付には約200軒の鰻屋が掲載されていますが、「此外東西数多ニ御座候得共猶校合の上再板仕候」(この他にも数多くあるので調査の上、再版する)とあり、この他にも数多くの鰻屋があったことが推測されます。
嘉永元年(1848)に刊行された江戸の飲食店の紹介本である『江戸名物酒飯手引草(えどめいぶつしゅはんてびきぐさ)』にも90軒の鰻屋が載っており、この番付に載っている店も複数、掲載されています。

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