番町絵図(ばんちょうえず)
宝暦5年(1755)刊 特別買上文庫 特4304
江戸の地図は、初めは全体が1枚の地図に収まっていましたが、大都市へと発展したことにより、とても1枚には収まりきらなくなりました。
また、大型では携帯しづらいこともあり、幕末には「切絵図(きりえず)」という、地域毎に分割したより便利な地図が作られるようになりました。その切絵図で、最初に販売されたのが本図です。現在の飯田橋、九段、麹町、四谷辺りを描いています。当時は、似た構え(かまえ)の旗本屋敷が立ち並び、地番や表札がなかったため、切絵図は、来訪者の利便性を考えて生み出されたのです。