千代田之御表 将軍宣下(ちよだのおんおもて しょうぐんせんげ)
楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)画 明治30年(1897)刊 東京誌料 614-C1-15

 将軍は、黒書院で装束を整え、白書院で御三家や上位の大名の挨拶を受けた後、大広間で勅使(ちょくし)・院使(いんし)によって届けられた宣旨(せんじ)を披見・拝礼しました。


 式後、諸大名・旗本と対面しましたが、大名たちは頭を上げてその姿を見ることはできず、老中が代表して祝賀の意を伝えるのみでした。
こうして征夷大将軍は、軍事権、政治権、立法権などを掌中にしました。格式が明確化された舞台“大広間”、その大広間に家格順で平伏する大名たち、その中で、武家の最高権力者として君臨したのです。

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