千代田之御表 御鏡開ノ図(ちよだのおんおもて おかがみびらきのず)
楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)画 明治30年(1897)刊 東京誌料 614-C1-11

 江戸幕府では鏡開きを「具足祝(ぐそくいわい)」と称していました。


 毎年正月11日に、黒書院の床の間に家康着用の「歯朶(しだ)具足」や刀などを飾り、そこに具足餅を供えました。「歯朶具足」は、家康がこれを戦いに携行して勝ったことから、徳川家にとって非常に縁起のよいものとされていました。将軍が祝いの膳を食した後、譜代大名や諸役人等が拝謁し、酒と餅が下賜されました。

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