大地震暦年考(おおじしんれきねんこう)
山嵜久作(美成)(やまざききゅうさく(よししげ))著 安政3年 (1856)刊 東京誌料 017-2

 安政2年(1855)10月に起きた「安政の大地震」直後に刊行された地震についての関連書です。日本だけでなく西洋の事例や地震の予知、地震年代記などその内容は多岐にわたっています。


 安政2年(1855)10月に起きた「安政の大地震」後には、様々な種類の関連書が刊行されました。
 本書も地震直後の安政3年(1856)に出された地震に関する冊子です。地震に関する一般論である「大地震の弁説」や西洋の事例として「伊太利亜国(いたりあこく)地震乃図」、磁石を利用した地震予知器の紹介などその内容は多岐にわたっています。巻末には天武天皇より安政2年までの地震を年代順に紹介しています。編者の山崎美成(やまざきよししげ)は江戸時代後期の随筆家で様々な分野で多くの著作を残しています。
 掲出は元禄16年(1703)11月の「元禄癸未大地震古図」です。浅草や日本橋などの江戸での様子の他、房総の津波や小田原での被害についても書かれています。

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