3.江戸城御本丸御天守百分之一建地割
掛軸装 1巻
内題:江府御天守図百分之一
東京誌料 6191-D5
国の重要文化財に指定されている江戸城造営関係資料(甲良家伝来)646点のうちの1枚。江戸城の天守閣は、家康が創建したものを、秀忠が元和元年(1622)に建て直し、さらに家光が寛永14年(1637)に再び建て直した。この三度目の天守閣は、明暦3年(1657)の大火で焼失し、その後再建されることはなかった。妻側正面からみた天守の構造を示す図と各階の平面図からなるこの図は、寛永度天守に関する確かな資料として重視される。甲良家は、代々江戸幕府作事方大棟梁の職を勤めた家柄である。左下に「大棟梁甲良豊前扣」とあるが、寛永度天守を手がけたのは甲良豊後宗広とみられるため、この図は造営後の控えであろう。