4. 無筆名所案内の図
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上総屋岩蔵 嘉永頃刊 大判錦絵横1枚
東京誌料 025-C7
事物や名称をそれとは直接関係のない絵や文字であらわしたものを判じ絵という。その発想は古くからあり、近世に入っても何度か流行を繰返しているが、特に嘉永以降、「○○尽し」として判じ絵のみで構成された一枚物が多く見られる。
当図は右肩に「無筆名所案内の図」とあるが、さらに上部枠外に、え(絵)・ど(戸に濁点)・め(目)・い(井)・しょ(書)...とあって「江戸名所判じ物尽し」と読める。形としては地図になっており、中心の円(江戸城部分にあたる)の右上、象が門から半分姿を現しているのが「半蔵門」、その下が番町、本町とつづく。画面左下には「日本ばしより道のり」として地名・寺社名などが列記され、これが判じ絵を読み解くヒントともなっている。