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4. 大悲千禄本

大悲千禄本(だいひのせんろくほん)の画像

芝全交作 北尾政演画 覆天明5年(1785)蔦屋重三郎版
函55-20

不景気のため、千手観音が千本の手を切り放し損料貸しにする珍商売を始めるという内容の黄表紙。題名は、大根を細長く刻んだ千六本に観音の大悲の象徴である千の手を掛けている。読みは初版の袋の表記によるが、広告では「せんろつほん」とある。
様々な意味で「手のない人々」が観音の手を借りにくる。掲出は、客を夢中にさせて金を使わせる手連手管のない遊女と無筆な人の借り手である。無筆な人は借りた手で手紙や証文を書くが、もとが仏の手なので梵字ばかりで通用せず、ただ返すのも損なので、爪に火を灯して蝋燭の代わりにしてしまったとある。僅か五丁の作品ながら、巧みな洒落やこじつけで、当時から評判が高く、版木が摩滅したといわれる。幕末には既に伝本稀で、好事家の手により覆刻された。当館蔵もその再版本で、絵がかなり粗略である。

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