8.娘草履打
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東西庵南北作 勝川春扇画 文化12年(1815)刊 和泉屋市兵衛版
函102-14
東西庵は板木師の出身で、文化5年から文政11年にかけて70余の作品があるが、先輩作家の旧作を翻案したものや歌舞伎浄瑠璃の筋からそのまま借用したものが多い。本作は鏡山家を舞台とするお家騒動に伊達騒動ものの筋が取り込まれている。
表紙は鮮やかな全面錦絵摺付表紙で、合巻では文化6年頃から次第にこうした華やかな表紙が使われるようになった。本来前編後編は分かれていたものを、当館所蔵本は前後の表紙を合わせて一枚の絵柄となるよう改装されている。鏡山ものの奥庭の場、お初と岩藤の立ち回りを描いているが、本文の筋とは直接関係はない。