8. 韓子
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韓子二十巻附録一巻 明趙如源・王道焜校 明天啓五年序趙世楷刊本 竹添光鴻旧蔵 4冊
四周単辺 有界 毎半葉9行18字(注文小字双行) 白口 無魚尾 版心題韓子 以下巻数丁数 内匡郭19.7×14.3糎
<子部法家類>
諸橋文庫 128-MW-5
『韓子』は中国戦国時代の韓の公子であった韓非子(?-前233)の書で、唐の韓愈と区別するためのちに『韓非子』とよばれるようになった。法律・刑罰をして政治の基礎とする法家思想の集大成の書。五十五篇ある各篇の真偽には諸説ある。当書は付録として『史記』の韓非伝等を付す。
当書は天啓5年(1625)の刊行で、竹添進一郎(字光鴻、号井井、1841-1917)の旧蔵。竹添は熊本藩木下犀潭の門下で学問を修め、維新後外交官となる。のちに東京帝国大学にて経書を講じ、『左伝会箋』『論語会箋』等の著書で知られる。諸橋氏は竹添の門下で、竹添の遺稿を整理したこともあり、当文庫には竹添の旧蔵書や自筆校本を多く含む。ただし、書き入れについては掲出した巻之一末に「明治三十二年十一月廿二日以秘府御本道蔵本校讀嶋田翰」とあり、竹添の弟子の島田翰である可能性がある。島田は、明治40年静嘉堂文庫が中国四大蔵書家の一人である陸心源の蔵書を購入した際の記録『ヒョク(百偏に百)宋楼蔵書源流攷』を著した。