ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文へ移動する

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

1.八ツ山羊

八ツ山羊

Copyright (C) 2012 東京都立多摩図書館児童青少年資料係 All Rights Reserved.
無断で転載・転用することを禁止します。

八ツ山羊(西洋昔噺 第1号)
グリム著 呉文聡譯 弘文社 1887.9(明治20年)
請求記号:943/グ1/637

本書は日本で初めてのグリム絵本といわれている。

仕掛け絵本になっていて、絵に貼られた小さな紙をあけると、中から子ヤギたちが現れる。冒頭のオオカミがヤギたちの家の戸をあける場面と、母ヤギがオオカミのふくれた腹を開ける場面で、めくりの下から子ヤギたちが出てくる。江戸期にはめくり絵などの仕掛け絵本が作られていたが、明治になってもその伝統が活かされていることがわかる。

子ヤギの数が8匹になっているのは「ヤツヤギ」と頭韻を踏むよう1匹増やしたのではないかと言われている。ストーリーは原作にほぼ忠実だが、オオカミがペンキ屋に白いペンキを足に塗らせたり、8匹目はストーブの後ろに隠れるなど細部に工夫をしている。

訳者の呉文聡(1851-1918)は、後に第1回の国勢調査に携わるなど統計事業を手掛けた官吏で、子供向けの本は本書のみである。挿絵画家については記載がないが、小林永濯と言われ、西洋風の文物を明るい木版画で描いている。

弘文社はちりめん本の「日本昔噺」を多数出版し成功を収めた。この「西洋昔噺」シリーズでは西洋の昔話を絵本にして紹介していく計画があったようだが、2号以降は発行されていない。

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。