ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文へ移動する

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

第53回 ポンチ絵本

2015年9月30日更新

「ポンチ絵」という言葉の由来は、1862(文久2)年にイギリス人画家のチャールズ・ワーグマンによって創刊された雑誌『ジャパン・パンチ』の「パンチ」がもとになっていると言われています。
江戸末期に創刊された、この『ジャパン・パンチ』の影響で、明治に入ると日本の雑誌や新聞にも風刺漫画が大きく取り上げられるようになります。特に明治30年代には、大衆向けのさまざまな「ポンチ本」が集中的に発行され、庶民の娯楽として楽しまれていたようです。なお、『大辞林』第三版で「ポンチ絵」をひくと、「風刺を込めた滑稽な絵。漫画。」という説明があります。
もともとは大人の文化として始まった「ポンチ本」ですが、前述の明治30年代以降に発行されたものの中には、子供向けの絵本も散見されます。現在の4コマ漫画と同じようなコマ割りの短編を寄せ集めたものや、昔話を模倣したストーリー性のある御伽噺など、その種類は多岐に渡ります。テーマとしては滑稽のみを目的とした本が多いですが、登場人物の服装や取り上げられた題材などから、西洋化へ向かう明治・大正という時代性が感じられます。
また、子どもの文化という側面から見ても、江戸時代の戯画や絵草子から近代的な漫画文化へと移行していく過渡期を知る上で、貴重な資料の一つと言えるでしょう。

今回は、都立多摩図書館児童青少年資料係所蔵のポンチ絵本の中から、保存状態の良いもの、特徴的なものを10点選んでご紹介します。どうぞ肩の力を抜いて、お楽しみください。

≪参考図書≫ ※()内は都立多摩図書館の請求記号です

『大正期の絵本・絵雑誌の研究』三宅興子 編,香曽我部秀幸 編(K/ 726.6/ 5067/ 2009)
『日本の漫画300年展解説図録』 川崎市市民ミュージアム 企画・編集(K/ 726.1/ 5009/ 1996)
『図説漫画の歴史』 清水勲 著(K/ 726.1/ シ2007/ 601)

この下に並んでいる小さな画像をクリックすると、拡大した画像と解説が表示されます。

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。