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「千両役者」の誕生

大当楽屋寿語六 豊原国周画

歌舞伎は現在、音楽・美術(大道具・衣装)・踊り・文学(台本)・演劇といった様々な芸術的な要素をあわせ持つ総合芸術として、世界中から高い評価を受けていますが、その主役は何と言っても役者です。この役者人気にあやかって、歌舞伎を題材とした多くの浮世絵版画が刷られました。人気役者の似顔絵や名場面を取り上げ、様々な趣向を凝らして販売された役者絵は、江戸の人々のみならず、地方の人々も買い求める江戸土産の一つでした。

[新板鬘尽くし] 歌川芳藤画 弘化4~嘉永5年(1848~1852)刊

江戸時代の歌舞伎役者は、顔見世興行が行われる11月から1年間の専属契約を興行元と結びます。この1年間の出演料が千両にも達する役者を「千両役者」と呼び、そこから転じて、格式が高く技芸の優れた俳優を指す現在の意味になったと言われ、歌舞伎人気が高かったことを物語っています。

助六由縁江戸桜 歌川国貞(初代)画
天保3年(1832)刊

では、「千両役者」と呼ばれたのはどのような役者だったのでしょうか。上方で活躍した初代芳沢(よしざわ)あやめ(1673~1729)や後に市川家のお家芸となる「助六(すけろく)」を初演した二代目市川団十郎(1688~1758)などが最初の千両役者であったと言われ、幕末になると歌舞伎人気も相まって三代目沢村田之助(さわむらたのすけ)(1845~1878)など多くの千両役者が誕生しました。

役者似顔早稽古 歌川豊国(初代)画 文化14年(1817)刊

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