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2. 恋塚物語

恋塚物語(こいづかものがたり)

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岩戸屋喜三郎版
函20-17

赤本に続く草双紙は、やはり表紙の色から黒本と呼ばれている。内容は浄瑠璃の影響をうけたものが多く、英雄の一代記、化け物・異類物などもあり、当世風な要素も入ってきている。
本書は浄瑠璃の鳥羽の恋塚、すなわち袈裟御前と盛遠のちの文覚とを題材とした作品。遠藤武者盛遠は渡辺亘の妻袈裟に懸想し、袈裟は貞節を守るため亘の身代わりとなって盛遠に討たれる。掲出は、寝所で亘と思い袈裟を討つ盛遠と、月明かりにすかして見たその首級が袈裟であったことに驚く盛遠を同一の場面に、いわば異時同図法で描いている。
当館所蔵本は上冊表紙を開くと、見返しに巴山人(すなわち山東京伝)と恋川春町の、本文一丁表には大田南畝の蔵印があり、当時江戸の文壇で活躍した人々が手にした本であることがわかる。浜田義一郎氏は「死の順序から推察すると春町の死後、京伝が入手し、南畝に贈ったのであろうか」(館報ひびや35号)とされている。

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