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著者：Walter Crane （1845-1915）
出版：London: G. Routledge and Sons, [1875?]
請求記号：F/E/C55/5

肖像画家の子どもとして生まれたウォルター・クレーンは、若くして木版を学んだ。1865年に製版家のエヴァンズに出会い、以後十数年にわたって、彼とともに美しい絵本を数多く出版した。彼等の作った絵本は、それまでの粗悪なものを芸術にまで高めるもので、イギリスの近代絵本の基礎を築いたといわれている。
この本は、イギリスに伝承されてきた童謡（マザーグース）の歌詞と唄の一場面を、アルファベット順に描いている。見出しの大文字と小文字、唄の歌詞など、文字はすべて手書きで、題材の多くは、子どもたちが遊んでいる様子である。例えば「M」では、「Multiplication is vexation（掛け算はいらいら）」の歌詞と、石版に向かって悩む男の子のまわりを、数字が虫のように飛び回る様子をユーモラスに描いている。