Copyright (C) 2008 東京都立中央図書館特別文庫室 All Rights Reserved.
無断で転載・転用することを禁止します。

五十四帖源氏壽語六
楳素亭画　大国屋金次郎　安政4（1857）刊
請求記号：4574-S8

絵双六という遊びの世界にも、源氏物語は素材として取り入れられている。偐紫田舎源氏を元とし、源氏絵を各コマに取り入れたものもあるが、源氏五十四帖の巻名に源氏香の図を伴ったものも多い。ほかに一見双六のようだが、源氏絵合の名で、紙面に記された巻名や源氏香の上に札を置いていく遊びに使用されたものもある。現在では札が失われているケースがほとんどである。
本双六は、桐壺を振り始めとし、夢浮橋まで、五十四枚の絵札を巡る回り双六の形式で、中央の上がりは美しい干菓子の数々。各札には、巻の名前と源氏香、巻名にちなんだ絵が描かれている。その絵には、桐壺には桐、夕顔には夕顔の花、葵には葵の葉など直接的なものと、松風では光源氏と明石の上を結ぶ琴から、琴柱と琴爪の袋を描くといったように内容や言葉からの連想で引き出されたものがある。