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海道狂歌合
2巻　上田秋成著　渡辺南岳、河村文鳳画　文化8年（1811）刊　2冊合1冊
請求記号：和946

上巻は街道を往来する人物を詠んだ狂歌合せの形式で、十八番三十五首の狂歌を収め、下巻は南岳と文鳳による狂歌の題に対応した画譜となっている。上巻の所々に朱で版の汚れを削るような指示があり、欄外に訂正文字がしるされ、4丁表の文字が一字淡墨で消してあり、その文字が後刷本ではないことなどから、本書は校正本と考えられる。
稿本の成立は文化2年頃で、版本は著者秋成の没後刊行された。和947に狂歌部分のみを1冊本としたものも所蔵している。その後、下巻の画譜のみが増刷され『南岳文鳳街道双画』『南岳文鳳手競画譜』と改題されていく。
本書は丸山季夫の旧蔵書で、氏は「古典文庫」第299冊「秋成狂歌集」に、『海道狂歌合』についての詳しい書誌的解説を施している。氏が大東急記念文庫本と比較して淡墨の省略箇所を示した小紙片が本書中各所に挿入されていた。