江戸東京デジタルミュージアムトップページ

大江戸カルチャー  

江戸の学問 / 地本・絵草紙屋   


江戸の情報メディア「錦絵」

錦絵とは、明和(めいわ)年間(1764~1772)以降にひろまった多色摺の浮世絵版画を指します。浮世絵版画は、最初は墨一色の墨摺りから始まり、次第に紅を中心に彩色した紅絵(べにえ)や墨の面に漆のような光沢をもたせた漆絵(うるしえ)が登場します。その後、三、四色を版で摺る紅摺絵(べにずりえ)が開発され、七、八色以上もの豊富な色数を費やした多色摺の錦絵へと発展しました。

江戸土産之内 絵さうし見世 落合芳幾画 文久元年(1861)刊
五衣色染分 黄 歌川国貞(初代)画 嘉永4年(1851)刊

錦絵は、庶民から大名まで幅広い層に人気がありました。また江戸の名物として諸国への土産としてもてはやされ、様々なジャンルの錦絵が、地本問屋や絵草紙屋の店頭に並びました。色鮮やかな錦絵には、最新の風俗情報やファッションが描かれ、地本問屋の主力商品となります。

江戸の庶民に人気のあった歌舞伎や相撲もまた、錦絵の題材として多く描かれています。特に実際に行われている歌舞伎興行に取材した役者絵の売れ行きが好調であり、地本問屋や絵草紙屋の店頭の目立つ場所に陳列されていました。役者絵や力士を描いた相撲絵には、流行りの人物が描かれていたので、どんな役者や力士が人気なのかを知ることのできるメディアでもありました。

[菅原伝授手習鑑] 歌川国貞(初代)画 天保11年(1840)刊

※画像をクリックすると解説文が開きます。


▲TOP