カイルラッパー・ブックカバー・ブックシューなど
2020年12月更新
資料の保存にとって、環境を整えることは重要です。しかし、書庫が広ければ広いほど、万全な環境に整えることは、現実的には難しいことでもあります。保存容器に資料を収納することは、資料にとって小さな環境を手軽に整えることになります。
都立図書館では、貴重な資料や劣化・損傷の激しい資料について、順次、保存容器への収納を行っています。市販の保存容器を使用したり、あるいは保護用紙で自館作製します。保存容器についての詳しい説明と、都立図書館で作製している代表的な保存容器である「カイル・ラッパー」と「ブックカバー」「ブックシュー」についての作製方法については、次のテキストをご覧ください。
なお、容器に使用する紙には注意を払う必要があります。一般には弱アルカリの保護用紙(アルカリバッファー紙)を使用しますが、青写真、写真、革装本、色材など、アルカリによって劣化したり、劣化するおそれのあるものがあります。それらの資料に対してはpHが7に近いノンバッファー紙といわれる保護用紙を使用した保存容器に収納します。また、ノンバッファー紙や和紙に包んでからアルカリバッファー紙の保存容器に収納するとより効果的です。