平成29年度 健康・医療情報公開講座「ポジティブな認知症 〜当事者が語る明るい認知症のはなし〜」を開催しました。
2018年3月 1日
平成30年2月24日(土)に、東京都町田市のデイサービス「DAYS BLG!」の方々をお招きし、平成29年度健康・医療情報公開講座「ポジティブな認知症 〜当事者が語る明るい認知症のはなし〜」を開催しました。
当日は約100名の参加者にお越しいただきました。
開催概要
日時
平成30年2月24日(土) 午後2時〜午後4時
(開場は午後1時30分)
会場
都立中央図書館 4階 多目的ホール
登壇者
前田隆行(まえだ たかゆき)氏
デイサービス「DAYS BLG!」代表
2012年、認知症当事者が"有償ボランティア"として、「仕事」に携わることができるデイサービス「DAYS BLG!」を開設。
町田克信(まちだ かつのぶ)氏
村山明夫(むらやま あきお)氏
他1名
認知症当事者。デイサービス「DAYS BLG!」に通所するメンバー。
講座内容
デイサービス「DAYS BLG!」代表の前田隆行がコーディネーターを務め、メンバー(認知症当事者)の方々の経験を交えながら話しいただきました。
トーク内容の一部を以下にご紹介します。
認知症に気付いたきっかけ
- 毎日通っていた散歩コースで、突然頭の中が真っ白になり、ここがどこなのかわからなくなった。
- 「さっき言っていたことをもう一度言って」と言われても、自分の発言を思い出せなくなった。
デイサービス「DAYS BLG!」での活動や仲間の存在について
- DAYS BLG!では、1日の活動内容からお昼ごはんの場所まで、メンバー自身が選択している。メンバーひとりひとり、できることもやりたいことも違うので選べることはとてもいい。
- 自分の予定として、行く場所ができるのは嬉しい。活動も、近くの自動車販売店での洗車作業、紙芝居の読み聞かせ、チラシのポスティングなど、誰かの役に立つものが多い。
- DAYS BLG!にいると、みんな忘れるんだから大丈夫と思える。お互いが認知症だとわかっているから、オープンに話ができる。
認知症当事者が地域の担い手となること
- 地域の子どもたちに紙芝居を読み聞かせをすると、目を見ながら真剣に聞いてくれる。終わった後におじさんは認知症なんだと話すと、いっぱい質問してくれる。2年で1000人以上に読み聞かせを行った。
- (認知症と診断された後、)散歩中に片足だけ裸足のおじいさんを見つけて、保護してくれそうな所へ連れて行ったことがある。
- 社会の担い手は若者だけだと考えるから、担い手が減っていると言われる。高齢者や認知症の人は支えられる側だと思われがちだけど、それぞれの立場、気持ちを考えると、無理のない範囲でできることがある。
聞いて終わりにしないで
- 自分がアクションすれば、その分、何かを返してもらえる。一緒に考えたり、積極的に手助けできたらいい。
- いつかは誰もが認知症になるかもしれない。一歩先を行く先輩たちだと思って、自分と切り離さずに考えてほしい。
参加者の声
- 当事者がしっかりお話をされていたこと、自分できちんと考え、選択して決定する姿に驚きました。何かをしてもらうことより、役に立ちたい、貢献したいという思いがよくわかりました。
- 和やかな雰囲気や笑いの起こる感じが「ポジティブ」さを感じました。当事者の方々のユーモアあふれる知的なトークに勇気づけられました。
- 「認知症を楽しんで生きていきたい」という言葉に表現されているポジティブな生き方に共感しました。
- 貴重な生の声を聞かせていただき、認知症に対する概念が覆りました。私は自分の立場で「アクション」を考え、実行していきたいと思います。
関連資料展示
※平成29年度 健康・医療情報公開講座「ポジティブな認知症 〜当事者が語る明るい認知症のはなし〜」チラシ