第22弾「散歩のお供にカメラをひとつ」
2010年9月28日
秋の気配が感じられるようになりました。
澄んだ秋空の下、のんびり戸外を散歩するのはなんとも心地の良いものです。そぞろ歩きのお供には、カメラをひとつ。何に目をつけ、どのように切り取り、シャッターを押すか。同じ光景を目にしても、十人十色の景色が切り取られるのが、"カメラ"の面白いところです。今回は、そんな"カメラ"に着目して資料をご紹介します。
『写真の撮り方ハンドブック』 河野鉄平著 誠文堂新光社 2008年刊
携帯電話にもカメラ機能が搭載されて久しい昨今、"写真を撮る"という行為はとても身近なものとなりました。日ごろ何気なく使っているカメラについて少し勉強してみませんか。本書は、写真が写る仕組み、色の仕組みと調整、レンズの種類など、フィルムカメラ、デジタルカメラいずれにも共通する基礎知識を、豊富な図版とともに分かりやすく解説しています。
『これからはじめるデジタル一眼レフの本』 野内幸雄著 技術評論社 2008年刊
広く一般に普及しているコンパクトデジカメから一歩進んで、"デジタル一眼レフ"に挑戦してみたくなったら、こんな本はいかがでしょう。コンパクトデジカメとの違い、操作ボタンなどの各部名称、構え方など基礎の基礎から、被写体別の撮影ポイントやレンズ選択、撮影後の画像処理など実践に役立つ知識まで、デジタル一眼レフカメラを楽しむための一通りの手順が分かるように構成されています。
『フィルムカメラの撮り方 きほんBOOK:かわいい、おしゃれをフィルムで残す』 山本まりこ著 毎日コミュニケーションズ 2010年刊
デジタルカメラ隆盛の今、敢えてフィルムカメラを選びたいというあなたにはこんな一冊もあります。副題に"かわいい、おしゃれをフィルムで残す"とあるように、どちらかといえば女子向きのかわいらしい造本ではありますが、充実した内容をコンパクトにまとめています。おすすめのカラーフィルムの紹介、"フィルムカメラ関連のお店"や"個人で借りられる暗室"のリストなど、具体的な情報も収録されています。
『小型カメラの写し方使ひ方』 木村伊兵衛著 玄光社 1937年刊
最後にご紹介する本書は、今から73年前、昭和12年に出版された"カメラの使い方"の本です。著者の木村伊兵衛(1901-1974)は日本における報道写真家の先駆的存在で、土門拳とともに日本写真会の中で指導的な地位にあった人物です。木村氏は本書の中で、家庭、旅行、年中行事などのテーマごとに自身が撮影した写真を例にとり、絞りの具合やシャッタースピードその他撮影のコツを記しています。恩地孝四郎装丁による本書は、シンプルでありながら丁寧なつくりで、アート紙に印刷された数々の写真は今もなお色褪せることなく、当時の人々の喜怒哀楽、時代の雰囲気を伝えています。
今回は、カメラの撮り方に関する入門レベルの資料を中心にご紹介しました。都立中央図書館ではこのほかにも、上級者向けの解説書、花・鉄道・動物など様々な被写体に特化して撮り方を解説した資料、写真家の伝記、写真集など、多種多様な資料を所蔵しています。散歩日和の秋の休日には、ほんの少し足を伸ばして、都立中央図書館にある"本の森"へ遊びにいらっしゃいませんか。