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第46弾「沈没から100年〜タイタニック号の悲劇」

2012年5月14日

今年の4月は、イギリスの豪華客船タイタニック号の沈没事故から100年という節目でした。1912年4月14日の深夜、氷山に接触したタイタニック号は、翌日未明にかけて北大西洋に沈みます。乗客乗員合わせて1500人以上が亡くなる大惨事でした。不沈船とも言われたタイタニック号の事故は当時の社会に衝撃を与えましたが、一世紀の時を経た今もなお、人々の関心を惹き付けています。これまで、多くの本や、映画、テレビなどが製作されてきましたが、今回は都立図書館で所蔵している洋書の中から、タイタニック号に関する英語の本をご紹介します。

『Titanic : the ship magnificent』全2巻 (History Press 2008)

人間ドラマから沈没原因の研究まで、タイタニック号に関する本は数多くありますが、タイタニック号という船そのものについて知りたい時には、この本がおすすめです。主に第1巻では船の構造について、第2巻では内装について書かれており、設計図や構造部品、客室の設備まで網羅的に調べることができます。タイタニック号およびオリンピック号(同時期に造船が開始された姉妹船)の写真や図面が豊富に掲載されており、それらを眺めるだけでも、タイタニック号がどれほど巨大で豪華な船だったのか、伺い知ることができます。

『How to Survive the Titanic or the Sinking of J. Bruce Ismay』Frances Wilson (Harper Collins 2011)

タイタニック号を所有していた海運企業ホワイト・スター・ライン社の社長J・ブルース・イズメイ。彼も事故に遭遇しましたが、生き延びることができました。しかし帰還した彼を待っていたのは報道による中傷でした。船に多くの乗客が残されている中、女性や子供達で一杯だった救命ボートに飛び乗り助かったことで、臆病者と非難されるのです。また、衝突時に船がスピードを出して航行していたことも、彼の指示だと批判されました。イズメイ氏は失墜した名声を回復することができぬまま、事故について二度と語ることなく人生を終えました。著者はイズメイ氏の人生に焦点を当てることで、新たな視点からタイタニック号の事故を描いています。

『Titanic Tragedy : A new look at the lost liner』John Maxtone-Graham (Norton 2011)

著者は長年に渡って船に乗っていた経験を持ち、船に関する著作も多くあります。本書では、災害時における無線電信の役割、生死をも分けた階級差別、タイタニック号からの遭難信号を受信しながら何も行動しなかった船の船長など、他ではあまり語られることのなかった側面について探っています。

『A night to remember』Walter Lord (Bantam Books 1997)

多くの資料と約60人の生存者の証言をもとに書かれた一冊。初版が刊行されたのは1955年ですが、今なおタイタニック号事故の決定的な資料とされています。著者は1997年に大ヒットした映画『タイタニック』において、キャメロン監督のコンサルタントも務めました。日本語版が『タイタニック号の最期』という書名で、筑摩書房(ちくま文庫)から出版されています。


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