60年代の映画人―市川崑と『東京オリンピック』―
平成27年11月10日作成
情報サービス課
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- 「東京オリンピック(東京オリンピック映画協会製作)人間的な感動に迫力 随所に市川監督の才気_新映画」
(『朝日新聞』 1965年3月19日 東京夕刊12頁) - 「映画監督市川崑氏(22)東京五輪(上)「平和の記録」テーマに(私の履歴書)」
(『日本経済新聞』 1989年2月23日 朝刊32頁) - 「この人 映画「東京オリンピック」を自ら再編集した 市川崑さん 最近の五輪は、平和と友情のテーマからそれている」
(『東京新聞』 2004年7月22日 朝刊3頁) - 「(京ものがたり)市川崑が切り取った風景 生誕100年、今に伝えた息づかい」
(『朝日新聞』 2015年10月6日 夕刊4頁)
市川崑は1915年11月20日生まれの映画監督です。本年は、市川崑生誕100周年を記念して、各地で上映会が企画されています。
2015年2月のベルリン映画祭では4Kデジタル復元された作品が上映されたほか、京都文化博物館では5月に記念上映が行われました。10月の東京国際映画祭では、市川崑が作画した幻のアニメ作品『弱虫珍選組』(1935年)が上映され、ディズニーのアニメ―ション映画に影響を受けた監督のルーツをうかがうことができました。
来年1月からは角川シネマ新宿で「市川崑映画祭」が予定されており、市川崑メモリアルイヤーを締めくくるイベントとなりそうです。
市川崑といえば映画『東京オリンピック』(1965年)を監督したことでも有名です。オリンピックの記録映画を、と発足した企画でしたが、単なる記録に留まらない個性的な演出方法から、「記録が芸術か」という議論を呼びました。 強い関心を集めた同作は予想を上回る大ヒット作となり、同年の「キネマ旬報ベスト・テン」第2位に輝きました。
今回は、市川崑の人生と作品、特に映画『東京オリンピック』について知ることができる資料を、当時の雑誌記事を中心にご紹介します。
2020年東京オリンピックを迎える前に、1964年の東京オリンピックと、その時代を生きた映画監督について調べてみてはいかがでしょうか。
1.市川崑の評伝・作品集
図書
書名 | 編著者 | 出版者 | 出版年 |
---|---|---|---|
『成城町271番地 ある映画作家のたわごと』 | 市川崑/和田夏十 著 | 白樺書房 | 1962年6月 |
『巨匠たちの伝説 映画記者現場日記』 | 石坂 昌三 著 | 三一書房 | 1988年6月 |
『市川崑の映画たち』 | 市川 崑/森 遊机 著 | ワイズ出版 | 1994年10月 |
『日本映画の巨匠たち 2』 | 佐藤 忠男 著 | 学陽書房 | 1996年11月 |
『Kon 市川崑』 | 市川 崑 著 | 光琳社出版 | 1998年12月 |
『光と噓、真実と影 市川崑監督作品を語る』 | 和田 誠/森 遊机 著 | 河出書房新社 | 2001年8月 |
『市川崑大全 KON ICHIKAWA 1915*2008』 | 映画秘宝編集部 編 | 洋泉社 | 2008年12月 |
『映画監督市川崑 崑さんをめぐる映画の旅』 | 土屋 好生 著 | 近代映画社 | 2009年3月 |
『市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究』 | 小谷 充 著 | 水曜社 | 2010年7月 |
『弔辞 劇的な人生を送る言葉』 | 文藝春秋 編 | 文藝春秋 | 2011年7月 |
『ぼくが映画ファンだった頃』 | 和田誠 著 | 七つ森書館 | 2015年2月 |
雑誌
雑誌名・巻号(出版年) | 特集名・記事名 | 出版者 | 掲載頁 |
---|---|---|---|
『映画芸術』5巻8号 (1957年8月) | 「市川崑論」 | 編集プロダクション映芸 | p.40-45 |
『別冊太陽』 (2000年6月10日) | 「『どら平太』公開記念 監督市川崑」 | 平凡社 | p.1-160 |
2.個々の作品について
雑誌
雑誌名・巻号(出版年) | 特集名・記事名 | 出版者 | 掲載頁 |
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『映画評論』16巻12号 (1959年12月) | 「感覚の目―「炎上」から「野火」まで」 | 新映画 | p.40-46 |
『キネマ旬報』692号通巻1506号(1976年10月上旬号) | 「日本映画の現状の中で映画「犬神家の一族」が持つ意味は?」 | キネマ旬報社 | p.72-78 |
『キネマ旬報』704号通巻1518号(1977年3月下旬号) | 「「悪魔の手毬唄」セット訪問記」 | キネマ旬報社 | p.79-82 |
『キネマ旬報』860号通巻1674号(1983年5月下旬号) | 「特集 細雪」 | キネマ旬報社 | p.69-106 |
『潮』342号(1987年10月) | 「私のビデオ館周游 市川崑監督の戦争映画」 | 潮出版社 | p.374-381 |
『毎日グラフ』41巻14号通巻2006号(1988年4月10日) | 「特集・吉永小百合 100本記念特別企画 市川崑監督作品 つる 美しくも哀しい鶴の化身に挑戦...」 | 毎日新聞社 | p.3-7 |
『アサヒグラフ』3768号(1994年8月5日) | 「高倉健-1994年、夏 それは、天の啓示だった。新鮮な大石像が、健さんの個性と重なった。」 | 朝日新聞社 | p.21 |
3.映画『東京オリンピック』について
図書
書名 | 編著者 | 出版者 | 出版年 |
---|---|---|---|
『東京オリンピック』 | 東宝事業部出版課 編 | 東宝事業部出版課 | 1965年3月 |
『土着と近代の相剋 (現代日本映画論大系4)』 | 小川 徹 ほか 編 | 冬樹社 | 1971年2月 |
『1964年の東京オリンピック 「世紀の祭典」はいかに書かれ、語られたか』 | 石井 正己 編 | 河出書房新社 | 2014年1月 |
『東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典』 | 講談社 編 | 講談社 | 2014年1月 |
雑誌
雑誌名・巻号(出版年) | 特集名・記事名 | 出版者 | 掲載頁 |
---|---|---|---|
『キネマ旬報』368号通巻1183号(1964年6月下旬号) | 「わがオリンピック映画構想 スポーツを知らないから自由に描ける」 | キネマ旬報社 | p.28-31 |
『キネマ旬報 別冊』 (1965年4月10日) | 「東京オリンピック」 | キネマ旬報社 | p.1-210 |
『詩學20巻4号通巻215号(1965年4月) | 「日本人が証言する―東京オリンピック記念映画の周辺―」 | 詩学社 | p.45-51 |
『教育』15巻5号通巻183号(1965年5月) | 「映画「東京オリンピック」」 | かもがわ出版 | p.115-118 |
『シナリオ』21巻5号通巻204号(1965年6月) | 「映画『東京オリンピック』事件簿」 | 日本シナリオ作家協会 | p.56-67 |
『中央公論』80年8号通巻934号(1965年8月) | 「東京オリンピック映画始末記」 | 中央公論新社 | p.254-265 |
『中央公論』107年3号通巻1280号(1992年3月) | 「見失われたスポーツの感動 座談会」 | 中央公論新社 | p.294-303 |
『映画テレビ技術』624号(2004年8月) | 「長編記録映画「東京オリンピック」の撮影」 | 日本映画テレビ技術協会 | p.57-61 |
『東京人』19巻9号通巻206号(2004年9月) | 「インタビュー 市川崑監督が語る、映画「東京オリンピック」撮影秘話。」 | 都市出版 | p.56-59 |
『映画テレビ技術』673号(2008年9月) | 「追悼:市川崑監督 映画『東京オリンピック』と90人のカメラマン達々」 | 日本映画テレビ技術協会 | p.56-65 |
4.インターネット情報
- 市川崑ウェブサイト
株式会社崑プロが運営する、市川崑公式ウェブサイトです。市川崑監督作品のリストや年譜、上映情報などが掲載されています。