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第27弾「寄贈雑誌の魅力-今年度新規受入雑誌の中から」

2011年1月5日

「郵政資料館研究紀要」表紙画像

都立図書館で所蔵している雑誌は購入以外に、市販ルートに乗りにくいものを中心にご寄贈いただいて受け入れている雑誌が半数以上あります。
これらは、各時代を反映した様々な興味深いテーマを取り扱っているのですが、あまり目立ちません。寄贈されてきて初めてハッとさせられる雑誌がたくさんあります。今回は、今年度になって新しく収集し始めたタイトルの雑誌の中から、4点をご紹介します。

郵政資料館研究紀要』 郵政歴史文化研究会発行 年刊

郵政資料館の中の郵政歴史文化研究会の紀要です。郵政資料館には、明治以降収集した切手資料やその原画、明治時代の郵便関係の絵画、地図、歴代のポスト等約190万点の資料があり、通信の歴史はもちろん美術の歴史においても貴重な独自の価値を持つ資料がきわめて多いといわれています。しかし未整理のものが多いため、これらの資料の分析・調査を行うために刊行された研究紀要とのことです。創刊号の表紙は明治時代の郵便局の風景です。

ジェロントロジー研究報告』 日本興亜福祉財団 隔年刊

ジェロントロジー(Gerontology)とは、老年学、加齢学とも訳されていますが、老化と高齢者に関する諸問題を研究するもので、生物学・生理学・医学・経済学・社会学等幅広い領域を幅広い領域を持つものとのことです。
今回ご紹介する『ジェロントロジー研究報告』は、加齢による病気ほか、社会参加、介護、ケア環境、医療費など様々な高齢化社会の諸問題を取り扱っています。創刊は1995年です。最新号は9号(2010年10月発行)で、公共図書館にも広く寄贈したいということで今回初めて都立図書館に送付されてきました。ご自身やご家族の問題解決ほか、ビジネスチャンスへの参考資料としても活用できるのではないでしょうか?アメリカの企業などでは社をあげて「ジェロントロジー」を勉強しているところもあるそうです。都立中央図書館では最新号9号(2010年刊行)から、都立多摩図書館内の東京マガジンバンクでは創刊号(1995年刊行)から所蔵しています。

都立中央図書館では、各地域の歴史、民俗、文化、産業、自然分野など幅広い情報が豊富にある地方史を、貴重な資料として力を入れて収集してきました。今では都立中央図書館の一大コレクションとなっています。
これらは図書で刊行する前に、雑誌形態で少しづつ研究成果を発表している自治体が多いのですが、今回は、東京周辺の市史研究の創刊雑誌をご紹介します。これまでの地方史は大学の先生等専門家の手によるものが多かったのですが、今後は市民目線で市民参加型の地方史を発掘したいという地方史関係の雑誌が多いことが注目されます。市民の声、目によるなかなか興味深い記事が見つかるかもしれません。

ヒストリアちがさき』 茅ヶ崎市 年刊

「茅ヶ崎市史」の刊行が一段落し、これにあわせて刊行していた『茅ヶ崎市史研究』が終刊となりました。これはそれを引き継ぎ、市民の関心に応え、広く地域の歴史に関する情報を提供・発信する広報誌としての性格を強化しようと新たに再出発した雑誌で、地域の歴史が市民の身近なものとなり将来にわたってよりよい地域を作り上げていくための糧となることを願って創刊されたということです。

市史研究いちかわ』 市川市 年刊

こちらも『市川市史』の刊行終了後、新しい市川市史の編纂が始まったのを機に、市民参加型の広報の一環としたいという目的で市川市史編さん委員会が刊行し始めたものです。同会は地域の歴史は地域住民とともに学びながら、新たな事実を発掘し、新しい歴史の水脈を掘り当てることが肝要であるとしています。


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