第27回 『日本の科学者』 特集「課題山積みの東京オリンピック・パラリンピックー開催が歓迎される大会にするために」
平成28年9月5日作成
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開幕まで、3年を切りました。
雑誌『日本の科学者』2016年12月号の上記特集では、4本の論文で課題を指摘しています。例えば、障害者スポーツでは、トップアスリートですら、経済力をはじめ指導者・練習場所の確保などで苦労していることが述べられています。競技用車いすは50万円前後、競技用義足は、膝関節が残っていない大腿切断者用であれば100万円を超えるものもあります。障害を理解し、障害程度に合わせた指導・サポートができる指導者は不足しています。バリアフリー化のすすんだスポーツ施設が身近にある選手は多くありません。また、これは、トップアスリートだけでなく、その背景にある障害者全般のスポーツ環境の問題でもあります。障害者スポーツは、ともに楽しむ、ともに活動する、ともに感動する、という経験を継続することで生涯スポーツとして親しめるようになりますが、そういった経験をする場を増やしていく取組みが必要であると述べています。
スポーツ基本法は前文で「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利」としています。難しい問題点も多々あるかと思いますが、準備を進めるにあたっては、このスポーツ基本法の理念をもとに解決されるよう、期待したいものです。