第47弾「坂の街 江戸・東京を歩く」
2012年6月14日
「幽霊坂」「妻恋坂」「鼠坂」・・・。東京には700から1000近くの坂があるといわれています。江戸時代からの由緒ある坂も多く、いろいろな名前が付けられています。史実や物語を味わえるガイドブックから事典類まで、「東京の坂」に関する資料を紹介します。坂道を散策しながら江戸・東京の歴史を楽しんでみませんか。
『江戸と東京の坂』山野勝著 日本文芸社 2011年刊
江戸切絵図と現代の地図を照らし合わせ、江戸時代から続く坂の道筋を丹念にたどっています。坂近辺の歴史や文学作品にも詳しく、散策ガイドとして楽しい1冊です。名坂の4条件(江戸情緒度・急坂度・湾曲度・命名面白さ度)に点をつけた「選定!50名坂」も紹介しています。
『江戸・東京坂道ものがたり』酒井 茂之著 明治書院 2010年刊
坂の名の由来にスポットを当てて紹介しています。ユニークな由来別「坂名」索引も付いています。坂にまつわる歴史・由来・物語を味わいながらの散策を楽しめます。
『タモリのTOKYO坂道美学入門』タモリ文・写真 講談社 2011年刊
タレントのタモリ氏による東京の坂道紹介本です。「坂道史跡お散歩ルート」に写真、ウォーキングマップと内容も充実しています。写真もタモリ氏によるものです。流行歌で一躍有名になった「桜坂」も紹介しています。
『東京の坂』中村 雅夫著 晶文社 1994年刊
東京23区の坂のモノクロ写真集です。特筆すべきは巻末の「東京の坂547」の一覧です。名称・かたち(スロープか石段か)・場所のほか、傾斜・道幅をリストにしています。このリストによると、最大傾斜は石段で新宿区「市ヶ谷八万男坂」の37度、スロープでは文京区「中坂」「鉄砲坂」、豊島区「のぞき坂」、新宿区「見晴坂」で15.5度です。健康づくりや体力の限界に挑戦してみるのも一興です。
『江戸東京坂道事典』石川悌二著 新人物往来社 1998年刊
東京の500余りの坂道を地域別に収録し、詳細に解説しています。具体的な場所と歴史的な背景などの解説が詳しく、典拠文献もたどれる「事典」です。