第35回 『1964東京五輪聖火空輸作戦』
平成30年5月22日作成
オリンピックのハイライトの一つである聖火リレー。... 東京2020オリンピック・パラリンピックでは、聖火が114日間かけて全都道府県を回ります。
さて、今回聖火リレーが実施されるのは国内のみですが、昭和39(1964)年に開催された東京オリンピックでは、国外でも聖火リレーが行われました。
ギリシャで採火された聖火は、聖火空輸用の特別機「シティ・オブ・トウキョウ号」でアテネを出発。中東からアジアにかけての12都市を経て、当時アメリカの統治下にあった沖縄に到着しました。
そして国内をリレーし、ついに10月10日、国立競技場の聖火台に点火されたのです。
ギリシャから、はるばる日本まで。 本書は、聖火を国外でリレーし、日本に空輸するという壮大なスケールのミッションに挑んだ人々の物語です。
難航する国外リレーのルート選定、聖火空輸に使用する航空機の機種が決まるまでの紆余曲折、「非常にデリケートな客」である聖火を運ぶための工夫等々、聖火リレーが成功のうちに終わるまでには数々の困難があり、多くの人々がそれぞれの立場で力を尽くしました。
当時の舞台裏を知ることができる、とても興味深い1冊です。
『1964東京五輪聖火空輸作戦』夫馬信一著、鈴木真二航空技術監修 原書房 2018.2(都立図書館請求記号780.6/5316/