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第19回 『目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか』

平成29年3月20日作成

目の見えないアスリートは、なぜ視覚なしでプレイできるのか。元々は美学専攻の著者が、ブラインドサッカー、競泳、陸上競技、ゴールボールのトップアスリートたちに、率直に聞いた対談。一見、危ないと思われる目の見えない人のスポーツですが、アスリートたちは街中よりも安全だと言います。空間の区切りやルールによってコントロールされた空間は、街中より予想外の出来事が少なく、純粋に競技に集中できるのだそうです。

それぞれの対談を読むと、同じ見えない人でも、生まれてからずっと見えない人と途中から見えなくなった人とは、競技中の世界の認識の仕方が全く違うことがわかります。また、「見える」と「見えない」の間には明確な断絶があると思っていた著者の質問に、病気で徐々に見えなくなったアスリートの何人もが「見えなくなったことに気がつかなかった」と答えていることに驚きました。それは、世界を認識するときに、視覚中心から視覚以外の感覚中心に徐々に重心が移動するからではないかと著者は分析しています。そんな一人ひとりの違いを意識しながら観戦すると、感動がまた違うものになりそうですね。

『目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか』 表紙画像

『目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか』伊藤亜紗著 潮出版社 2016.9 潮新書(都立中央図書館請求記号:780.0/5175/2016)

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