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第80弾「本づくりの舞台裏から」

2017年4月1日

「本」に恋して 表紙画像

図書館といえば、本。皆さんも思われるのではないでしょうか。
では、その本はどのように作られるのか、ご存知ですか?
真っ先に書き手、つまり著者のことを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は、一冊の本の完成までには、非常に多くの人が関わっているのです。

東京都立図書館では、本はもちろんのこと、雑誌や新聞、電子書籍などの膨大な資料を所蔵しています。今回はその中から、編集者や装丁家など、本づくりの舞台裏に関する資料をいくつかご紹介します。
皆さんの本棚に並んだ一冊一冊の本にも、多くの思いが込められていることを、きっと実感することができるでしょう。

「本」に恋して』 松田哲夫著 新潮社 2006年刊

本ができるまで、とりわけモノとしての本が完成するまでの工程を、ベテラン編集者である著者が紹介した図書です。「著作者の原稿をどのように形にしていくか」から始まり、企画書の作成、装丁家とともにデザインの決定、用いる紙やインクの選定、そしていよいよ印刷まで――。本づくりの工程を、事細かに説明しています。
本の魅力は「装幀」つまり、人でいう容貌や装いにあると述べ、まさに「本」に恋をした著者の情熱が伝わってくる資料です。

本は物である 装丁という仕事』 桂川潤著 新曜社 2010年刊

こちらも、モノとしての本づくりについて、装丁家の視点から紹介した図書です。戦後日本から再出発した装丁の歴史や、著者自身の装丁・装画の詳細な工程、装丁家の道を志したきっかけ、そして、ともに本を作り上げた作家や画家、編集者たちとのエピソードが語られています。

編集 悪い本ほどすぐできる良い本ほどむずかしい』 豊田きいち パイインターナショナル 2016年刊

小学館への入社から定年退職まで、一編集者として在り続けた著者によって、編集とはどのような仕事か、編集者とはどのようにあるべきか、など、いわば「編集者論」を述べた図書です。
著者曰く編集者とは、何よりも第一に、良い本の企画を立てる者。そして著作者と関係を築きながら、本の内面・外面をともに作り上げ、世間に送り出していく存在です。編集者がまさに本づくりの陰の主役とも言えるということが良くわかる資料です。

学術書の編集者』 橘宗吾著 慶應義塾大学出版会 2016年刊

学術書の編集者として約三十年の経歴を持つ著者が、自らの経験をもとにその仕事を述べた図書です。出版不況や電子出版の台頭というこの時代における学術書の立ち位置、学術書特有の制度やエピソード、地方における学術書の価値などを論じています。深遠で興味深い、そんな学術書の世界を知ることができます。

本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」』 ジェイソン・マーコスキー著 講談社 2014年刊

近年、本の新たな媒体として登場した電子書籍。この図書では、アマゾン社で電子書籍開発に携わった著者が、電子書籍の現状と今後を述べ、そして読書そのものの未来を考察しています。
各章のコラムでは、紙の本と電子書籍のメリットとデメリットが述べられ、末尾にwebページのURLが載せられています。この本の電子書籍版(当館所蔵なし)では、リンク先で読者と著者とが意見交換できるようになっているのです。著者自身が電子書籍の強みとする双方向的なコミュニケーションを試みているという点でもユニークな一冊です。

本のカバーや「あとがき」、奥付のなかに今回紹介した装丁家や編集者が登場していることがあります。今お読みになっている本がありましたら、ぜひ彼らを探してみてください。


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