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第64弾「おもちゃ・玩具・恩物」

2014年6月2日

おもちゃと遊びのコンシェルジュ

都立中央図書館は、「調査研究のための図書館」として、新刊の購入に加え、古書や寄贈など様々な形で資料を収集しています。185万冊の蔵書には、学術研究書や調査報告書だけではなく、さまざまな資料があります。
今回ご紹介する本は、「おもちゃ」がキーワードです。比較的新しい資料の中から、著者の思いの詰まった本をご紹介します。

おもちゃと遊びのコンシェルジュ : Best 100 Toys for Self‐expression』 関 康子著 ADP 2013年刊

子供の発達にとって「遊び」「おもちゃ」は大切なものですが、お店に行くとおもちゃが溢れていてどんなものを選んだらよいのか悩みます。子供の遊びのためのワークショップ等に携わる著者が、親子で生活を楽しむための魅力的なおもちゃ100点をそのバックグラウンドや遊び方と一緒に紹介しています。「遊び」は、本来本能が赴くままの「楽しみごと」であり、自然なかたちの「Self‐expression=自己表現」を引き出すものだという著者の考えに共感します。

日本郷土玩具集成 : 全3巻』 牧野 玩太郎編著 日本図書センター 2013年刊

江戸時代から明治、大正にかけて日本各地で引き継がれ、作り続けられているおもちゃ(郷土玩具)を、「紙」「木」「土」の素材によって分類し収めています。日本のおもちゃは、外国のように教育的で育児や科学に寄与するためには作られておらず、観賞用の要素のあるものが多いといいます。また、その土地の生活、習俗、信仰を反映したおもちゃは、何ともいえない味わいがあります。木で作られたこけし、紙で作られた凧等の玩具について、写真とともに作られた時代や地域についての解説がついています。
手作りの郷土玩具の存続に危機感を感じた著者が、観光玩具(観光客向けのもの)との違いを知って本来の郷土玩具の手引きにしてほしいとの思いで発行しました。1969年の復刻。

マトリョーシカ大図鑑』 沼田元氣写真・文 二見書房 2010年刊

ロシアのマトリョーシカ人形の由来をご存じですか。
明治40年頃、箱根のロシア正教の避暑館に来ていたロシア人が、七福神の入れ子のこけしを持ち帰り、それがマトリョーシカの元になったという説があるそうです。ロシアのほぼ全てのマトリョーシカの産地を廻り調査した著者が、マトリョーシカの歴史、制作工程、産地別に異なるデザインのマトリョーシカを豊富な写真で紹介しています。
ちなみに、ロシアの著者による『ロシアのマトニョーシカ』(スヴェトラーナ・ゴロジャーニナ著,有信 優子訳 スペースシャワーブックス 2013)でも本書の説が紹介されています。

手技の歴史 : フレーベルの「恩物」と「作業」の受容と、その後の理論的、実践的展開』 清原みさ子著 新読書社 2014年刊

 恩物(おんぶつ)とは、ドイツの教育学者フレーベルが1937年に創作した乳幼児用の教育玩具。木製積み木の原型も恩物のひとつといわれています。明治のはじめ、日本の幼稚園が開設されたときに紹介された恩物とその考えが、どのように受け入れられたのか、また、その後終戦までの幼児教育、保育の場でどのような実践が展開されたのかを当時の保育日誌などから研究した資料です。
ここでいう「手技(しゅぎ)」とは、恩物のほか絵を描くことや粘土、工作など手を使って遊ぶこと全般を指しています。現在の保育の場でも、こうした活動は日常的に行われていますが、制度史、理論史だけでなく、こうした実践史研究も進んできているといいます。


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