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第42弾「『清明上河図』に見る北宋の花の都の賑わい」

2012年1月13日

日中国交正常化40周年を迎える2012年、東京国立博物館で北京故宮博物院の名品展が2月19日まで開催されています。その中でも目玉となっているのが、中国美術史上屈指の名画といわれる「清明上河図」(北宋時代 展示は1月24日まで)です。
縦約24cm、長さは5メートルを超える絵巻です。当時の都京(べんけい 現在の河南省開封市)の繁華を極めた景観を細密に描き、生き生きとした宋代の庶民の暮しや商業活動などを伝えています。美術品としての価値はもちろん、宋代の経済・貿易・漕運・建築・服飾・商業などの研究に欠かせない史料でもあります。「清明上河図」は故宮博物院でも常には展示されておらず、中国国内でも他館に貸し出されることは滅多にありません。中国でも次にこの作品が見られるのは何年後になるかわからないということです。
「清明上河図」にはいくつか模写本があり、日本でも岡山の林原美術館、東京の大倉集古館などが所蔵しています。大倉集古館の明代仇英筆本は現在展示中ですので比べてみるのも面白いと思います。展示の詳しい情報などは各館のホームページをご覧ください。

1.『清明上河図』張択端絵 人民美術出版社 1961年刊 (C7225||Z6||1)

原寸大の巻物仕立ての複製本です。こんな長い絵巻をゆったりと広げて眺めることができるというのも複製ならではの贅沢ではないでしょうか。文章はありませんが絵だけで十分楽しめます。

2.『清明上河図』張択端絵 張安治文 人民美術出版社 1979年刊 (C7225||Z6||2)

折本仕立てにし、一部拡大図も入れた解説本です。コンパクトな形ながら、全体が見やすくまとまっています。拡大してみると元の絵の細密さがあらためてよくわかります。

3.『清明上河圖之綜合研究』劉淵臨著 藝文印書館 1969年刊 (C7225||Z6||3)

「清明上河図」にはいくつかの模写本も伝えられています。台湾故宮博物院、メトロポリタン美術館等の所蔵品を比較研究したものです。

4.『张择端《清明上河图》』吴雪杉编著 文物出版社 2009年刊 (C722.2||6027||2009)

西瓜売りの店の部分を青花磁器の紋様と比べてみる、背景の構図の取り方を「モナ・リザ」と比べてみるといった斬新な見方で絵の細部までじっくりと楽しめる解説書です。

5.『解读清明上河图』陈诏著 上海古籍出版社 2010年刊 (C722.2||6032||2010)

こちらも絵巻の流れに沿って様々な店が並び、人間だけでなくいろいろな乗り物や動物たちが行きかうさまを同時代の風俗を描いた名著『東京夢華録』の文章も織り交ぜながら解説しています。巻末にはこの絵の旧蔵者の変遷や代表的な模写本の一覧があります。

6.『宋朝汴河船:《清明上河图》船舶解构』陈守成著 上海書店出版社 2010年刊 (C550.9||6001||2010)

「清明上河図」に描かれた24隻の船だけを取り上げて、絵から船の設計図を描き起こし、さらにその模型まで作ってしまった!という楽しい本です。著者はこの製作で世界模型船コンテストの金賞を受賞しています。


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