第57弾「発想の転換」
2013年4月1日
学習の過程で、あるいは業務上の必要性から、私たちは斬新な発想や創造的なアイデアを求められることがあります。
旧来の発想の延長線上ではなく、発想を転換しなければ良いアイデアは出ないといわれています。
今回はその発想の転換に関する本を紹介します。
『巨匠の傑作パズルベスト100』 伴田良輔著 文藝春秋 2008年刊
パズルには発想を変えて解くものがたくさんあります。古代ギリシアの「スフィンクスの謎かけ」やサム・ロイドの「ポニー(子馬)のパズル」などはその代表的なものです。
この本にはそうした発想の転換をもたらすパズルが多く集められています。気楽にながめてみるだけでも参考になると思います。
『アイデア・バイブル 創造性を解き放つ38の発想法』 マイケル・マハルコ著 齊藤勇監訳 加藤昌治(ナビゲーター) ダイヤモンド社 2012年刊
発想を転換するための実践的手引書です。発想法を「左脳型(既存の情報に基づく発想法)」、「右脳型(想像力や直感による発想法)」、「コイノニア型(ブレーンストーミング等の交流による発想法)」に分けて、計38種の発想法を紹介しています。
図形パズルや錯視図形を解説中にとりあげるなど興味をひく工夫がされています。
また「右脳型」には眠っている時に見る夢や潜在意識による発想法まであります。
ナビゲーターによる付録「取扱説明書」を活用して、読者に自分で作業してみることを薦めてはいますが、一読するだけでも発想法に関する知識は増えますし、何かしら発想のヒントが見つかるかもしれません。何せバイブルと銘打つほどの本なのですから。
『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』 鈴木光太郎著 新曜社 2008年刊
心理学の世界では、本書の書名にもなっている「オオカミ少女の記録」をはじめとして神話ともいうべきいくつかの定説があります。
しかし著者は、その根拠の薄弱さや実験の再現性に関して疑問を提示しています。
定説を疑うことも発想の転換の一つです。本書は、心理学上の8つの定説に疑問を呈した、いわば発想の転換の実例です。
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