第6弾「翻訳で味わう村上春樹」
2010年3月8日
昨年5月、7年ぶりとなる村上春樹の長編小説『1Q84』が刊行され、大ベストセラーになりました。4月には第3部が刊行されることも決定しています。
村上春樹といえば海外でも人気のある作家であり、その作品は数か国語に翻訳されています。『1Q84』も早速、中国語(台湾)版、韓国語版が刊行され、都立中央図書館でも所蔵しています。英語版はまだ刊行されていませんが、いずれ英訳されるのは間違いないでしょう。
『1Q84 a novel BOOK1』 村上春樹著 新潮社 2009年刊
『1Q84 a novel BOOK2』 村上春樹著 新潮社 2009年刊
『The wind-up bird chronicle』 Haruki Murakami 1997年刊
過去の作品の多くも英訳されており、米国アマゾンを見ると、『The Wind-UP Bird Chronicle』(ねじまき鳥クロニクル)には300件を超えるレビューが寄せられています。
『村上春樹はどう誤訳されているか』 塩浜久雄著 若草書房 2007年刊
英語で表現される村上ワールドってどんな感じ?そんな興味を持たれた方は、『村上春樹はどう誤訳されているか』を一読してみてはいかがでしょうか。『国境の南、太陽の西』『ねじまき鳥クロニクル』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などの作品を取り上げ、訳文と原文とを比較して、いろいろな検証をしています。同じ英語版でもアメリカ版とイギリス版の文体的違いなど興味深い視点もあり、それぞれを読み比べてみると面白いかもしれません。
『1Q84(中国語版)』(全2冊) 村上春樹著 時報文化出版 2009年刊
『1Q84(韓国語版)』(全2冊) 村上春樹著 2009年刊