第1弾「図書館ならではの龍馬本??」
2010年1月24日
このたび、お知らせ欄にてコラム「〜こんな本、あります〜 アリスの本の森」を始めることにいたしました。
都立図書館の本棚には現在約240万冊を超える本や、雑誌などがあります。
これらの蔵書の中には、スペースが限られるために一度も開架の棚に並ぶことなく、地下の書庫に配置されたり、表紙デザインが控えめなために目につかなかったりして、誰かが手に取ってくれることを心待ちにしている本がたくさんあります。
このコラムでは、中央図書館の地下1階で本の選定や目録作成に関わっている部署の職員が交代で、そうした本をご紹介していきます。
コラムのタイトルは中央図書館がある緑豊かな有栖川宮記念公園の名称にちなみました。
どうぞみなさん、都立図書館にある広い蔵書の世界をのぞいてみてください。
新刊の選定をしていると、一時期に集中して同じテーマの本が目につくことがあります。昨年の終わり頃から、よく目にしたのがズバリ坂本龍馬もの。言わずと知れた、今年のNHK大河ドラマの主人公です。例えば、地図の専門出版社である人文社から出ている『坂本龍馬地図帳』では、全国各地の龍馬にまつわる場所が現在の地図や住所で紹介されています。もちろん江戸のページもありますので、龍馬をテーマに都内各地をめぐってみたい方にはぴったりです。
一方、龍馬とは銘打たないまでも、龍馬ファンが読んでみると興味深い本、というものも結構あるのです。そのひとつが"地方史"ではないでしょうか。地方史は、各地方の教育委員会などが、地元の史料などを集めて編纂・発行したものです。『高知県史 近世編』を見てみると、土佐勤王党の武市瑞山や藩主山内容堂との関わりなど、土佐での龍馬を取り巻く人々との史実が記されています。これらの中から、興味深い"龍馬伝"のサイドストーリーが見つかるかもしれません。
また、『四国古紙幣図録』という本には、江戸時代から明治期にかけての四国内の藩札や私札が掲載されており、もしかしたらこのお札を龍馬が持っていたこともあるのでは!などと想像させてくれます。
都立図書館では、こうしたなかなか一般の流通には乗りにくい、"地方発"の本なども所蔵しています。
図書館であれこれ書架をめぐり、あなただけの"龍馬本"を探してみてはいかがでしょうか?
〜図書館ならではの龍馬本??〜
『坂本龍馬地図帳 夜明けを夢見た風雲児たちの道』人文社 2009年
『高知県史 近世編』高知県 1968年
『四国古紙幣図録 十三藩全種別収録集』刈谷茂正 2009年