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第55弾「それぞれの持ち場で起きたこと 〜東日本大震災関連の報告書の中から〜」

2013年2月1日

東日本大震災の発生からまもなく2年が経過しようとしています。東日本大震災の発生以後、官公庁はもとより、様々な業界団体、企業からも、震災時にそれぞれの持ち場で起きたことや課題などをまとめた記録集や報告書が多く発行されています。
こうした資料の中には、市販されているものもあれば、業界団体や公的機関により、関係者への配布、という形で発行されるものもありますが、都立図書館ではいずれも積極的に収集をしています。
今回はこれまでにご寄贈をいただいた東日本大震災関連の報告書の中から一部をご紹介します。

東日本大震災による劇場・ホール被災調査報告 -劇場・ホールにおける防災・安全・技術』 劇場演出空間技術協会 発行 2011年12月刊

東北から関東にいたる範囲の劇場・ホールの被災状況および、劇場関係各社の震災対応の報告集です。劇場・ホールからは、建物や設備の被災状況のほか、不特定多数の方の誘導状況や反省点、ホールが避難所となった際の様子などが報告されています。関係各社からは被災当時や直後の対応内容や今後の懸案事項などが報告されています。この他、震災当時に公演を鑑賞していた方や、ホールへの避難を経験された方のレポートも掲載されており、さまざまな角度から「劇場・ホール」の被災状況と対応を検証する内容となっています。

東日本大震災現地レポート 地域建設企業は大震災にどう対応したか』 東日本建設業保証 発行 2012年3月刊

県別の被災状況、建設業協会、建設会社のレポート集です。ある建設会社のレポートでは震災前に策定していた事業継続計画の中で、役立った点、足りなかった点が報告されています。後半では、被災企業などへのインタビューに基づいた「建設企業、建設業協会としての準備」「復旧・復興についての課題」がまとめられています。

東日本大震災と学校 学校運営や教育指導における工夫など』 悠光堂 発行 2012年7月刊

国立教育政策研究所が平成23年に開催したシンポジウムの報告書です。被災地の学校が、被災当時や直後どのような状況であったか、またその後どのような工夫や取組みで教育活動を進めていったかなどが報告されています。ある小学校では教育計画を保存していたサーバーを失い、当面何から始めてよいのかを検討する手段として、大きな模造紙にマインドマップを用意し、必要な内容を書き込み、さらに手立てなどを枝分かれさせていく方法で授業再開の準備を進めたそうです。なお、本冊子は後半が英語版となっています。


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