『水害に備える 荒川放水路通水100周年』の巻
令和6年11月7日公開
- 「知っていますか?荒川放水路のこと「荒川放水路通水100周年」」
(令和6(2024)年10月8日 足立区) - 「〜風水害に備えて、自分だけの避難計画をアプリで作ろう!〜アプリ版「東京マイ・タイムライン」の機能拡充と新しいPR動画について」
(令和6(2024)年5月24日 東京都総務局)
このコーナーでは、都政や東京のニュースや話題をとりあげ、インターネット情報と都立図書館の資料をご紹介します。
さらに詳しい情報をお求めの場合には、御来館いただくか、電話(03-3442-8451)、Eメールレファレンス、文書でお問い合わせください。
荒川放水路は、明治40(1907)年・明治43(1910)年の洪水被害をきっかけに、抜本的な治水対策として作られた人工河川です。荒川が増水した際、水門を閉鎖して隅田川への水の流入を遮断することで隅田川の氾濫を防ぐ役割を担っています。
大正13(1924)年の通水後、一度も決壊することなく、令和元(2019)年の台風第19号などで水門を閉鎖し、氾濫を防ぐ活躍をしています。令和6(2024)年8月15日付けで旧岩淵水門が重要文化財に指定され、令和6(2024)年10月12日には通水100周年を迎えました。
100年前に建設された旧岩淵水門の工事の責任者を務めたのが青山士(あおやまあきら)です。青山は、パナマ運河の工事に日本人として唯一参加し、その知識を旧岩淵水門の建設に活かしました。同水門は現場の土質が軟弱であったことから、基礎は川底よりさらに20mの深さに鉄筋コンクリートの枠を6個埋めて固めてあります。当時「そこまで頑丈にする必要があるのか」という声もありましたが、青山は譲りませんでした。結果的に同水門は、大正12(1923)年の関東大震災にも被害を受けず完成に至りました。
荒川放水路の歴史や青山士の業績と生涯、現代の水害対策に関する資料を紹介します。
☆印は都立中央図書館所蔵の資料です。★印はインターネットのホームページで関連の情報を見ることができます。
明治43年水害の記録
☆関東大水害 忘れられた1910年の大災害 ( 首都圏史叢書 8 ) 土田 宏成,吉田 律人,西村 健/編著 日本経済評論社 2023.2(369.3/8129/2023)
被害状況や救護活動の様子、荒川放水路建設の経緯等をまとめています。
☆『東京低地災害史 地震、雷、火事?...教訓! 葛飾区制施行80周年記念特別展図録』 葛飾区郷土と天文の博物館編・発行 2012.10(T/22・369/5014/2012)
平成24年に葛飾区郷土と天文の博物館で開催された展示の図録です。豊富な絵図、地図や写真などとともに関東平野の歴史災害を解説しています。
☆『天明以来ノ大惨事 明治43年水害と岩淵 平成23年度秋期企画展』 北区飛鳥山博物館編 北区教育委員会 2011.10(T/369.3/5316/2011)
平成23年に北区飛鳥山博物館で開催された展示の図録です。明治43年水害が東京に与えた被害、特に北区岩淵の様子や被災後の荒川放水路の建設を紹介しています。
☆『古老が語る明治43年の下町の大水害』 岡崎征男編著 下町タイムス社 1995.7(T/20・51/3004)
明治43年の水害について、当時を体験した方から聞き取った水害、その後、建設された荒川放水路にまつわる各地の様子がまざまざと伝わります。
東京都内の治水施設
荒川放水路と土木技術者・青山 士(あおやま あきら)について
☆『荒川放水路変遷誌 もっと知っておきたい荒川放水路の歴史と効果』 荒川放水路変遷誌編集委員会編 国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所 2011.10(T/517.2/5067/2011)
荒川放水路の100年の変遷をまとめたものです。
☆『荒川放水路物語』新版 絹田 幸恵著 新草出版 1992.2 (T/10・51/3015/92)
荒川放水路の工事等について、著者が聞き書きして集めた資料を一冊の本としてまとめたものです。
☆『技師青山士 その精神の軌跡-万象ニ天意ヲ覚ル者ハ...』 高崎 哲郎著 鹿島出版会 2008.11 (289.1/ア1298/602)
クリスチャンとしての信仰を貫いた清廉な技術者・青山士の生涯を、国内・国外の資料を用いて追っています。
☆『青山士/後世への遺産 パナマ運河/荒川放水路/信濃川大河津分水路』 青山士写真集編集委員会編 山海堂 1994.11 (2891/ア1298/302)
青山士の功績と生涯を写真でたどっています。「内務省時代[荒川放水路工事]」(p.28-41)にも触れられています。
★「荒川知水資料館amoa」(国土交通省 荒川下流河川事務所)
荒川の歴史や旧岩淵水門等の建設等に携わった技師 青山士(あおやま あきら)の紹介コーナーをはじめ、治水事業の紹介、荒川の生きものなどを展示している資料館です。荒川知水資料館のHPでは、資料館の中をパソコンやスマートフォンで見学できる「バーチャルamoa」や、荒川下流域の空撮スフィア(360度パノラマ)画像が見られる「荒川River-SKY-view」を公開しています。
東京都内の堤防や水門について
☆★『事業概要[東京都江東治水事務所]』(令和5年版) 東京都江東治水事務所庶務課編 2023.9 (T/517.0/5003/2023)
利根川水系及び荒川水系における低地河川の整備等の事業を管轄している東京都江東治水事務所の事業概要です。
毎年発行されており、水門等の施設や事業の概要がまとめられています。
東京都建設局ホームページからインターネットでも閲覧できます。
水害を予防する
行政の対策
☆『図説河川災害と復興 自然環境の再生と持続社会』 島谷 幸宏, 谷田 一三 , 一柳 英隆/編 朝倉書店 2024.9(517.4/5051/2024)
河川災害復旧に関わる基本的な事項を解説し、河川災害後に自然・風景・くらしなどに配慮した事例をまとめています。
☆『都市と堤防 水辺の暮らしを守るまちづくり』 難波 匡甫著 水曜社 2017.3(T/517.5/5011/2017)
東京下町低地の高潮対策と大阪の水辺活用に主眼をおき、水害に強いまちづくりなどについて提言しています。
☆『事例からみた水害リスクの減災力』 末次 忠司著 鹿島出版会 2016.10(517.5/5086/2016)
水害対応の事例を、うまくいかなかった事例も含めて分析し、今後教訓とすべき対応策などを紹介しています。
☆『水害から治水を考える 教訓から得られた水害減災論』 末次 忠司著 技報堂出版 2016.8(517.5/5084/2016)
水害に関わる現象や事例を客観的・系統的に分析し、減災のための効果的なハード対策等について考察し、今後の治水のあり方について述べています。
☆『日本水没』 河田 惠昭著 朝日新聞出版 2016.7(369.3/7197/2016)
ゲリラ豪雨や洪水、高潮、津波などのメカニズムと、東京を含む日本の深刻な水害リスクを解説し、治水の歴史・現状と今後の対策を提示しています。
☆『首都水没』 末次 忠司著 鹿島出版会 2016.10(517.5/5086/2016)
東京都職員として土木に携わった経験のある著者が、東京の水害シミュレーションや、水害リスクの要因について述べています。
★「東京都防災ホームページ」(東京都総務局)
東京都内の避難情報など災害に関する情報を発信するとともに、事前の備えや都の取組を紹介しています。
★「水害にそなえて」(東京都建設局)
洪水浸水想定区域図や洪水ハザードマップ、過去の水害記録等が掲載されています。
個人の対策
☆★『東京くらし防災 Step 1 行動編』改訂版2023 東京都総務局総合防災部防災管理課/編集 東京都総務局総合防災部防災管理課 2023.11(T/369.3/5474/2023)
☆★『東京防災 Step 2 知識編』改訂版2023 東京都総務局総合防災部防災管理課/編集 東京都総務局総合防災部防災管理課 2023.11(T/369.3/5436/2023)
誰もが日常生活の中で取り組める防災行動や、災害を取り巻く最新の情報などを盛り込んでいます。
東京都総務局ホームページからインターネットでも閲覧できます。
☆★『東京マイ・タイムライン』 東京都総務局総合防災部防災計画課/編集 東京都総務局総合防災部防災計画課 2023.5(T/369.3/5652/2023)
東京の特徴を考えて、風水害に対する準備をするための資料です。
東京都総務局ホームページからインターネットでも閲覧できます。
☆★『水害時の避難及び共同住宅の機能強化』(調査研究報告書 令和4年度)[特別区長会調査研究機構/編] 特別区長会調査研究機構 2023.3(T/369.3/5634/2023)
水害時の避難行動の特徴や、共同住宅の浸水対策についてまとめています。
特別区長会調査研究機構ホームページからインターネットでも閲覧できます。
★「豪雨災害からわが家を守る」(東京都都市整備局)
個人ができる豪雨対策や対策事例を紹介しています。
防災計画・防災プラン
☆★『東京都地域防災計画 風水害編』令和3年修正 本冊 東京都防災会議編・発行 2021.1 (T/369.3/5058/1-2021-1)
☆★『東京都地域防災計画 風水害編』令和3年修正 別冊資料 東京都防災会議編・発行 2021.1 (T/369.3/5058/1-2021-2)
☆★『東京都地域防災計画 震災編』令和元年修正 本冊 東京都防災会議編・発行 2019.7 (T/369.3/5058/2-2019-1)
☆★『東京都地域防災計画 震災編』令和元年修正 別冊1資料 東京都防災会議編・発行 2019.7 (T/369.3/5058/2-2019-2-1)
☆★『東京都地域防災計画 震災編』令和元年修正 別冊2協定等 東京都防災会議編・発行 2019.7 (T/369.3/5058/2-2019-2-2)
☆★『東京都地域防災計画 火山編』平成30年修正 東京都防災会議編・発行 2018.12(T/369.3/5058/3-2018-2)
☆★『東京都地域防災計画 大規模事故編』令和3年修正 東京都防災会議編・発行 2021.1(T/369.3/5058/4-2021)
☆★『東京都地域防災計画 原子力災害編』令和3年修正 東京都防災会議編・発行 2021.1(T/369.3/5058/5-2021)
災害対策基本法第40条の規定に基づき、東京都防災会議が策定する計画です。都、区市町村、指定地方行政機関、自衛隊、指定公共機関、指定地方公共機関等の防災機関がその有する全機能を有効に発揮して、都の地域における地震災害の予防、応急対策及び復旧・復興対策を実施することにより、住民の生命、身体及び財産を保護することを目的としています。
東京都総務局ホームページからインターネットでも閲覧できます。
☆★『セーフシティ東京防災プラン』平成30(2018)年3月 東京都総務局総合防災部編 東京都 2018.5(T/369.3/5416/2018)
☆★『セーフシティ東京防災プラン進捗レポート 2020』本編 東京都総務局総合防災部編 東京都 2020.8(T/369.3/5459/2020-1)
☆★『セーフシティ東京防災プラン進捗レポート 2020』別冊資料 東京都総務局総合防災部編 東京都 2020.8(T/369.3/5459/2020-2)
☆★『セーフシティ東京防災プラン進捗レポート 2021』 東京都総務局総合防災部編 東京都 2021.5(T/369.3/5459/2021)
地震や風水害、火山噴火について4つの災害シナリオを作成し、リスクに対応するための自助・共助と公助の取組を掲載しています。
東京都総務局ホームページからインターネットでも閲覧できます。
☆★『東京都水防計画』(令和4年度) 東京都建設局河川部防災課編 東京都建設局河川部 (T/517.5/5002/2022)
水防法第7条に基づき、洪水、高潮、内水、津波等による水害を防御し、被害を軽減することを目的として、東京都内の水防業務及びその円滑な実施のための必要な事項を規定するものです。この水防計画は、毎年検討が加えられ、必要があるときは内容を変更し、その要旨が公表されます。
東京都建設局ホームページで令和6年度版が閲覧できます。