第62回 『金栗四三の生涯』
令和2年12月11日作成
2019年の大河ドラマ『いだてん』の主人公の軌跡を豊富な写真資料で辿る一冊。
生涯25万キロメートルを走ったアスリートであり、多くの後進を育てた「マラソンの父」であり、日本初のオリンピアン。しかし、その初舞台のマラソン競技中に途中棄権するという大きな挫折もあり、生涯遂にオリンピックの表彰台に立つことはありませんでした。性格が温厚なため、若い頃「お釈迦さま」と呼ばれていた四三は、白鳳仏を思わせる凛とした顔立ち。晩年は「結果を恐れず、目標を持って頑張り抜くことが生きること。だから人生は楽しいんだ。」と語る幸せそうな笑顔の老人になりました。
陸上を愛し、陸上に愛された偉大なランナーのありのままの姿は読者に大きな感銘を与えてくれます。
『金栗四三の生涯』 洋泉社 2018.8(都立中央図書館 請求記号:782.3/5254/2018)